9月の手仕事●きのこ
まだまだ暑い日が続いていますが、季節は初秋。
秋の味覚といえばきのこですが、人工栽培されているものが多く、一年中、スーパーや青果店などで見受けられます。とはいえ、野生のきのこは秋の食卓に彩る一つではあります。
きのこは、カビと同じ菌類で、食べている部分は、植物でいえば花にあたります。
ひと口にきのこといっても、種類は多彩。日本で自生しているものは、数千種類以上あり、そのうち市場に出回るのは15~20種類だといわれています。
普通に食べてもおいしいですが、ひと手間加えて、天日干しはいかが。
天日干しは先人の知恵が生み出した魔法のような保存方法です。
太陽の下で干すと、きのこに含まれているビタミンDが増加し、保存期間も長くなります。
カルシウム吸収するビタミンDは、吸収されたカルシウムを骨へ沈着させる働きもあるため、成長期の子供や骨粗しょう症が気になる人には欠かせない栄養素といえます。
また、きのこに含まれる酵素の働きによって、乾燥すると、旨味成分が増加。
昆布やかつお節などは旨味が凝縮しますが、「旨味を増やす」のはきのこだけです。
◆作り方◆
①好みのきのこを石づきがあれば取って、バラバラに。できるだけ大きな平たいザルに重ならないように広げる。
②日の当たるところに新聞紙を敷いて、①を2~3時間干す。表面が少し乾いて、軽く色づいたら干し上がりの目安。冷蔵保存して1週間ほどで使い切る。
③もっと日持ちさせたいなら「3日干し」を。3日干すと、密封容器で3週間ほど保存可能。
干しきのこの戻し汁は捨てる派ですか、使う派ですか。
じっくりと時間をかけて戻すと、汁には旨味も栄養も溶け出しています。
汁ごと用いると、スープや汁物など、料理のおいしさを底上げてくれます。
六甲の天然水「マロッ」とともに、天日干ししたきのこをおいしくお楽しみください。