涙の効用
泣いてストレスを解消できる。
泣くことは心のデトックス効果がある。
どうやら、これらは本当のことのようです。
医学的には悲しいことがあった時に、なぜ涙が出るのかは解明されていません。
ただ、涙は、交感神経や副交感神経などの自律神経に支配されていることがわかっています。
感情がからんで出た涙の成分には、ストレスに反応して作られるプロラクチンや副腎皮質ホルモンの一種などが含まれていることもわかっています。
このことから、人間は感情が乱れたときにストレス物質を涙によって排出し、自立神経を整えているという説があります。
子どもを見ていると、小さな体で驚くほどの大きな声を出してわんわん泣きますね。
わんわん泣いていたかと思うと、次の瞬間、そんなことがなかったように笑っているなんてこともあります。
女性には、「悲しい映画やドラマを見て、たくさん泣いたらなんだかすっきりした」・・・なんて経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
成人した男性は、人前で涙を流すことをためらいがちです。
「男の子は泣かないもの」と育てられて、その考え方が無意識にまで浸透してしまっていると泣けませんね。
現代の生活では、感情をあらわにする機会が減りました。
本当の感情を表に出して、周囲の人が受け入れてくれるかどうか不安になる人もいるのでは?
まずは、辛い時、悲しい時は、「自分は辛いのだ、悲しいのだ」と認めてあげることからはじめてみてはいかがでしょう?
うれしいことがあったとき、素直に「うれしい」「ありがとう」と言葉にすることも習慣にしたいです。
泣きたい時、素直に泣けるようになりたいですね。
【参考文献】
図鑑 からだのしくみ大全
監修
伊藤善也
(日本赤十字北海道看護大学教授)